トリプルシールドベアリングの製品の回転具合、ガタについて

「回転具合が左右でわずかに差がある」「手で触ると微細なガタがある」といったお問い合わせを受けることがございます。

トリプルシールドベアリングの製品の仕組みのご説明を交えてご回答いたします。

カップ&コーンベアリング

まず、当社の通常のカップ&コーンベアリングはダブルナットによりボールの押し付け具合を調整でき、
ベアリングを良い状態で長く保たせる為と初期なじみを加味してそれぞれのボールへ均一な荷重が加わるよう、あらかじめわずかにボールを押し付けた状態に調整して出荷しております。(予圧と呼んでおります)

トリプルシールドベアリング

一方でトリプルシールドベアリングの製品はシールドベアリングをボディに圧入しており、M6ナットおよびペダルキャップはベアリングが遊びズレないように位置決めをしているものであり、ベアリングへの予圧や回転具合の調整などは担っておりません。
使用しているシールドベアリングにより回転具合や内部隙間はあらかじめ決められており、ペダル組み立て時に回転具合を調整できるものではありません。

つまりトリプルシールドベアリングの製品では回転具合やガタの具合などは使用しているシールドベアリングの状態に依存しております。
手で感じるわずかなラジアル方向(踏み方向)のガタはベアリングの内部隙間によるものであり、これは必要な冗長性として設計されています。
その内部隙間にもわずかな個体差がありますが、すべて許容範囲内の仕様として出荷しております。

ペダルキャップが紛失していたら?

また、例外的にペダルキャップが緩んでいたり脱落していたりした際に、キャップ側ベアリングの位置が固定されなくなりますのでスラスト方向(軸方向)のガタが生まれていることがございます。
こちらに関しましてはキャップをしっかりお締めいただくことによりベアリング位置が固定されて、スラスト方向のガタが解消されます。
キャップの締め付けトルクはアルミ製のものが10N・m、プラスチック製のものは2N・mになります。